木綿のハンカチーフ

b0100078_21562638.jpg

SOLB-352 CBS・ソニー 500円
A面 木綿のハンカチーフ  B面 揺れる愛情

b0100078_2211818.jpg タタンタタンターララー イントロの軽やかなギターの音色がじつに気持ちいい、1975年12月21日発売の太田裕美さんの大ヒットシングル「木綿のハンカチーフ」です。筒美京平さん作曲のきれいなメロディーもいいですが、ディランの「スペイン革のブーツ」からヒントを得た、松本隆さんの歌詞とその構成がvery goodですね。

Oh,I'm sailin' away my own true love 
おお、恋人よ、わたしは船出する
「スペイン革のブーツ」では「船」で出発しますが、
恋人よ 僕は旅立つ 東へと向う列車で
「木綿のハンカチーフ」の「僕」は、列車に乗って旅立ちます。歌謡曲で「船」を使うとどうしても演歌っぽくなってしまいますから、やはりここは「列車」に変えたのでしょうね。

Is there something I can send you from across the sea
海のむこうから送ってほしいものはないかしら

はなやいだ街で 君への贈りもの 探すつもりだ
歌のなかでの、ひとり二役という構成がいいですね。

No,there's nothin' you can send me,my own true love,There's nothin' I wish to be ownin'.
いいや、恋人よ、おくってほしいものはない なんにもほしいものはない
いいえ あなた 私はほしいものはないのよ

Just carry yourself back to me unspoiled.
ただ汚されずにかえっておいで
ただ都会の絵の具に染まらないで帰って
ほとんど同じですが、「汚れないで」というところを松本さんは「都会の絵の具に染まらないで」と文学的に翻訳されています。上手いですね。

Oh,but I just thought you might want something fine made of silver or of golden
おお、でもなにかほしいかと思って 銀とか金でできたものを
都会で流行りの指輪を送るよ 君に似合うはずだ

Oh,but if I had the stars from the darkest night and the diamonds from the deepest ocean,I'd forsake them all for your sweet kiss for that's all I'm wishin' to be ownin'.
おお、まっくらな夜からとった星と深い海からとったダイアモンドだって あなたのやさしいキスのほうがいい わたしがほしいのはそれだけだ
いいえ、星のダイアも海に眠る真珠も きっとあなたのキスほど きらめくはずないもの
ここでは、ディランの煌めくような素敵な歌詞をそのまま使っておられます。

So take heed,take heed of the western wind
では気をつけて 西風に気をつけて
でも木枯しのビル街 からだに気をつけてね
And yes, there's something you can send back to me,Spanish boots of Spanish leather.
そう、なにかおくってくれるのならば スペイン革のスペインブーツ
あなた 最後のわがまま 贈りものをねだるわ ねえ涙拭く 木綿の ハンカチーフください

b0100078_22122490.jpg二番煎じ同じような路線&テーマの「赤いハイヒール」もよかったですね。こちらは立場が逆転していて、都会にスポイルされていく女の子のお話。「アランドロンとぼくを比べて 陽気に笑う」なんていう歌詞がいいですね。
[PR]

by mokki_h | 2007-01-18 22:16 | 太田裕美 | Comments(8)  

Commented by Nob at 2007-01-19 22:44 x
え~! 歌詞はボブ・ディランが元だったんですか。 知りませんでした。
何だか、こうやって記事を拝見すると、私も何か作れそうな気になってきます(笑)
私は「赤いハイヒール」も結構好きでした。 
初期の頃の「雨だれ」「たんぽぽ」 あと、後期?の「九月の雨」も好きでしたね~
彼女の歌う曲では、哀愁調のものが好みです。
Commented by mokki_h at 2007-01-19 23:23
『哀愁もの』いいですねぇ。「さらばシベリア鉄道」あたりはどうでしょう?「きみは近視 まなざしを 読みとれない」っていう歌詞が気に入っております。

太田裕美さんで一番好きなのは、シングルでは出ていないんですが「袋小路」というユーミンのつくった歌です。
薄日のあたる石畳みち つきあたりには あの店がある〜
メロディーも歌詞もとってもいいんですよ。
もしどちらかに ひとつまみでも 優しさがあったなら
袋小路を抜け出せたのに  袋小路を抜け出せたのに〜
LPどっかへやってしまいましたが、この曲はそらで覚えております。
Commented by saya at 2007-01-21 18:01 x
高校の世界史の授業で木綿業の話が出て来た時、太田裕美の「木綿のハンカチーフ」あるでしょ、っていって、歌っている先生がいました^^;
これ、ディランが元だったんですね、勉強になりました^^
Commented by mokki_h at 2007-01-21 19:19
こんばんは、sayaさん!
ある一定の年代の人々には、「木綿」と「ハンカチーフ」は非常に密接な関係にありますね。「木綿」という単語を口に出す間に、既に頭の中には「ハンカチーフ」が待機しているわけです。「君は青春に何をかけるか?」と問われて、すかさず「のりたま!」と答えるのと、ちょっと似ております。
Commented by たくやママ at 2007-02-27 14:13 x
クラムボンさん、お久しぶりです。前月の内容に食いついてスミマセン(笑)これでは、ヒントを得た、というより「○クリ」ではないかと(爆)
ディランさんの唄はこうせつさんも好きで、おととしのかぐや姫ヒロシマコンサートでも最後にディランさんの曲を唄っていましたよ。
太田裕美さんの唄声はいまでも健在で、(いや、最近のほうがいいかもです)7月にうちの近くで伊勢さんと元ガロの大野さんとコンサートをやられます。勿論、行ってきます!(笑)
Commented by mokki_h at 2007-02-27 22:34
こんばんは、たくやママさん!おひさしぶりです。
おー、こうせつさんもダイランでなくてディランさんを歌っておられたんですね!最後ということは、曲は何だったのでしょうか?「フォーエヴァー・ヤング」あたりでしょうかね。どうでしょう?

太田裕美さんを観に行かれるのですね?いいですなぁ、正やんもボーカルさんも一緒とは、またいいですね。またその際は現場レポートぜひぜひお願いいたします!
Commented by オロ9 at 2007-11-24 20:31 x
mokki_h様、トラックバッキンありがとうございます♪
「夕焼け」の時にもTBいただきましたが、近いうちにこの「木綿の~」を記事にする予定でしたので、今日までコメントするのを我慢していました(笑)

ディランの曲との比較論、さすがですね。
松本隆さんは余程ディランの曲が気に入っていてリスペクトなさったのでしょうか。あっ、最近では「リスペクト」って「○クリ」と同義語として使われていますね(苦笑)。訂正、訂正、オマージュと言い換えます(笑)

「赤いハイヒール」もいつか取り上げる予定です♪
Commented by mokki_h at 2007-11-24 21:08
こんばんは、オロ9さん!
松本隆さんは、はっぴいえんどの頃から大好きなんですよ、私。作詞はもちろんのこと、松本さんの叩くドラム!これがかっこいいんですわぁ。それはそれとして、この「木綿のハンカチーフ」の作詞はディランの影響大かと思いますが、裕美さんの「心が風邪をひいた日」っていうgoodなアルバムに「ひぐらし」っていうこれまた素敵な曲が入っておりまして、こちらはサイモンとガーファンコーリスペクトなんですよ。カバンひとつでバスにのってハンバーガーを食べながら御殿場まで行く歌。これがそこかしこにS&Gの「アメリカ」を思わせるフレーズがちりばめられていて、「あっ」とやられるわけですよ。松本さんは素敵です☆
椎名林檎さんのカヴァー、けっこうオリジナルに近いアレンジなんですよ。そのカヴァー・アルバムでは長谷川きよしさんとおときさんの「灰色の鐘」とか朱里エイコさんの「白い小鳩」なんかも演っていて、どれもなかなか良かったです♪

<< フィヨルドの少女 みち >>