二人の銀座

b0100078_20312868.jpg

LP-4180 東芝音楽工業 500円
A面 1. 二人の銀座 Ginza Lights 
   2. 君といつまでも Kimi To Itsumademo
B面 1. 夜空の星 Yozora No Hoshi 
   2. 霧の8マイル Eight Miles High

 1965年初頭から'66年にかけての日本に於けるベンチャーズの活躍はまさに驚異的なものであり、今迄どの外国アーティストも果たし得なかった素晴らしい快挙と云わねばならないでしょう。今にして思えばこの2年間彼等が日本で果たした役割は非常に大きく、又極めて重大であったと云えます。この間の公演回数はおよそ200回、観客動員数は600,000人以上と云われ、発売されたシングル・レコードの殆どが大ヒット、日本のポピュラー界に与えた影響は非常に大きなものがあります。
 いろいろの批判もありましたが、一時のエレキ・ブームの中から、非常に秀れたロック・グループも生まれ育ち、又今迄ただ音楽を聞くだけであった日本のポピュラー・ファンの手にギターを持たせ、自分で演奏する楽しみを教えたこともベンチャーズの大きな功績と云えます。演奏技術の確かさ、編曲の良さ、インストゥルメンタル曲としての作曲のうまさ、このいずれを取っても彼等は”ロック・コンボのお手本”であり、そして又”ベンチャーズ・サウンド”と呼ばれる彼等の音は、そのシンプルな分り易さという点で聞く人にとっても絶対的な魅力となっているようです。
 このように日本のポピュラー界に与えた影響もさること乍ら、一時沈滞気味の日本の歌謡曲の世界に与えた影響(歌謡曲界の若返り)も見逃せないでしょう。今迄アメリカ製ポピュラー・ソングと日本製歌謡曲の間にあった厚い壁を取り除き、両者の間に親密な交流を作り出したと云うことです。現在爆発的人気を呼んでいる”加山雄三”がこの最も良い例であり、この両者のファンは殆ど共通していると云う点からも容易にうなずける事でしょう。ここに収められた曲はこうした点から非常に興味深い4曲が収められています。

★二人の銀座 ベンチャーズの4人のメンバーによるオリジナル曲で、銀座に象徴される日本の印象を巧みに盛り込んだムード溢れる佳曲です。外国人を通した日本の印象と云えば普通”チャイナ・メロディ”と混同し勝ちなのですが、ベンチャーズだけあってさすがです。日本的メロディーとアメリカ的メロディーの結合という点で”ポップ演歌”と呼ばれるのもうなずけます。

★君といつまでも これこそ加山雄三の名を一躍トップ歌手の座へ押し上げた最大の傑作曲で、日本の歌謡曲界'66年のナンバー1メロディでしょう。ビート中心と考えられていたベンチャーズがこのような繊細なメロディーと取り組んだ事も面白いし、出来としても非常にゴリッパ。ノーキーのリードが見事にメロディーを歌っているし、密度の濃い各パートの動きも見事なものです。

★夜空の星 これも”弾厚作”こと加山雄三の初期の傑作の一つで、むしろこちらの方がよりベンチャーズ的と云えますが、やはり出来としては前者には比較出来ないでしょう。

★霧の8マイル アメリカのフォーク・グループ”ザ・バーズ”のヒット・ナンバーですが、このそこはかとないスペース・ミュージック的なムードを味わって下さい。他人のヒット曲でもアレンジによって自分のレパートリーにしてしまう彼等の才能を認めざるを得ないでしょう。

[PR]

by mokki_h | 2006-06-05 20:50 | ベンチャーズ | Comments(0)  

<< リフレクションズ アウト・オブ・リミッツ >>