人気ブログランキング | 話題のタグを見る

エリカの花散るとき

エリカの花散るとき_b0100078_20454757.jpg

KMG-2 協同企画・出版部 420円 
提供/日本グラモフォン 編集協力/週刊明星

エリカの花散るとき_b0100078_2050238.jpg 1964年に発売されたフォノシート・ブック『西田佐知子のすべて』です。33回転の青いソノシート(ここではフォノシート)4枚に収められているのは「エリカの花散るとき」「故郷のように」「アカシアの雨がやむとき」「泪がいっぱい」「死ぬまで一緒に」「10ルックスの灯」「愛の別れ」「夕日は沈まない」の8曲。挿し絵入りのそれぞれの歌詞ページに西田さんの数枚のポートレイト、そして興味深いインタビューで構成されています。

 すっきりと青く澄んだ空、風かおる五月のある日、東京・世田ヶ谷にある西田佐知子さんのお宅を訪問しました。昨年の夏に建てられたという、この瀟洒な新居はどことなくサっちんの人柄にピッタリという感じで郊外の住宅街に、ひっそりとつつましく建っています。

Q : このところ毎日お忙しくて家で一日中のんびりしてることは少ないのでしょう?
「ええ、今日も夕方からレコーディングがあるんですの。それでさっきまでレッスンをしていました。」
Q : 『エリカの花散るとき』ついで『東京ブルース』と、ずっとヒットが続いていますが、レコードの吹き込みのとき、西田さんは特にどんな点に一番気をつけるんですか?
「そう、一口に言うと、情感をこめて歌うということでしょうか。あたしの歌はブルースのものが多いでしょ。聴いてる人の心にジーンと訴えるものが強くないとダメだと思うの。だから、なによりも歌の内容に即して歌のイメージをはっきりさせて、それには何んというのかな、歌のハートをつかんで自分の気持ちが自然とそれに乗るようにしなくてはね・・これが一番難しいわ。例えばキング・コールの歌うのを聴いてると、ゾクゾクッと何かが胸に泌みこんでくるような気持ちになるでしょう。それは、キング・コールがどんな歌を歌っても自分流にこなしているということと、それから感情のこめ方が、繊細というのでしょうか、歌のすみずみまで神経がいきとどいているからだと思うの。あたし、いつもあんな風に歌えたらなぁと思うわ。」
Q : じっさいアクがつよいとか、ヘンに気取ったり飾ったりしないで、ごく自然にどんな歌でも自分で消化して歌いこなすというのは大へんでしょうね。
「ほんとにそう思います。でも、そういうのが本当の個性というんじゃないかしら。その点、エラ・フィッツジェラルドとかサラ・ボーンとか偉いと思います。ああいう歌手って最高に素晴らしいわぁ。」
Q : ところで最近のミュージカルの流行をどう思いますか。
「それじたいは無論よいことだと思うけど、ただ外国のものをこっちへ持ってきて木に竹をつぐようにしてミュージカル・ブームというのは、やはりヘンだし、ミュージカルなら何でもいいなんて意識があるとすれば、それはおかしいと思います。だけど本当に日本人のものになるような好い音楽や踊りで構成されるミュージカルだったらあたしもぜひやってみたいわ。」
Q : 話がちがうけど、あなたがゴキゲンななめというのはどんなとき?
「うーん。あたし、わりと朝寝坊なんです。だから早起きの日が何日も続いたりするとだんだん気嫌が悪くなっちゃうの。自分でもいけないなと思ってても、ついムスっとふくれたりして・・。母たちが手を焼いています。うふふ」
Q : つまり寝起きがわるいということ?
「そのかわり、寝つきはいいんです。」
Q : アカシアの雨にうたれて、このまま眠ってしまいたい〜ですか。
「ワァ、ひどい。」
エリカの花散るとき_b0100078_21598.jpg

by mokki_h | 2007-03-15 21:17 | 西田佐知子  

<< グッバイガール アカシアの雨がやむとき >>